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【開催しました!】第8回アーバンデザインカイギ

「若者のために、街は何ができるのか?」

 

 2022年度にUDC2が作成したHONNE MAGAZINEでは、柏の街で過ごす若者の実態を調査したところ柏の街に対して「怖い」「汚い」「居場所が無い」という考えを抱いている若者が多いことを明らかにしました。

 それを踏まえた昨年のアーバンデザインカイギでは「若者の居場所づくりと都市の再生」というテーマで開催し、トークセッションでは若者と居場所の「関係性」を考えることが非常に重要だという示唆を得ました。

さて、今回のアーバンデザインカイギでは、横浜市において若者と地元(自治会、商店街、学生、中間支援組織など)が連携している事例を学びつつ、柏の街で起きている若者に関わる取り組みに焦点を当てました。

若者の思い、若者を受け入れようとする街側の思い。

それらを知り、学ぶことで「若者×街」の「関係性」から、これからの柏セントラルのまちづくりのヒントを探りました。

以下に、当日の内容をご紹介します。

 

1.概要

 

・タイトル:第8回アーバンデザインカイギ「若者のために、街は何ができるのか?」

・日時:2024年3月20日(水・祝)13:00‐16:00

・場所:ザ・クレストホテル柏 3階オークルーム

・内容:

 第1部:若者の柏に関わる取り組みの発表

 第2部:KASHIWA.STYLEのプレゼンテーション 

 第3部:ゲストトーク 「特定非営利活動法人まち×学生プロジェクトplus」

 第4部:ポスターセッション

 第5部:ディスカッション

・当日参加者:116名

・参加費:無料

・主催:一般社団法人柏アーバンデザインセンター(UDC2)

 

・第1部発表・第5部登壇:大石果菜|市民活動サポートコーナー

・第1部発表:伊藤竹蔵|足立学園高等学校 2年生

       釘村龍翔|麗澤大学国際学部 3年生

・第1部発表:石川裕次|芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科 教授

       佐々木柚月・石崎大樹・大貫啓斗・塚原結花・山内大生・森島明隆・成田清流・町田智基・河田優周|芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科 3年生

・第2部発表・第5部登壇:宮﨑正雄|柏アーバンデザインセンターディレクター

・第2部発表:Aチーム 峰岸巧・吉竹凛香・高田竜成

       Bチーム 石戸俊太郎・糸数海音・鈴木良知・沼百合子・野舘洋輔・森山秀美 

       Cチーム 吉原美優・小村賢吾

・第3部発表・第5部登壇:

 森勤|特定非営利活動法人まち×学生プロジェクトplus 理事長

 原島隆行|特定非営利活動法人まち×学生プロジェクトplus 常務理事

 小倉勝十|特定非営利活動法人まち×学生プロジェクトplus 事務局長

・第5部モデレーター:安藤哲也|柏アーバンデザインセンター 副センター長

2.当日の動画

 

→ 動画その1:1部 若者の柏に関わる取り組みの発表

→ 動画その2:第2部 KASHIWA.STYLEのプレゼンテーション

 

→ 動画その3:第3部 ゲストトーク「特定非営利活動法人まち×学生プロジェクトplus」

 

→ 動画その4:第5部 ディスカッション

3.ディスカッション要旨

●安藤(UDC2 副センター長)

第1部では、まず柏での若者の取り組みを知ろうということで、地域づくりインターンシップや芝浦工業大学の成果発表を通して、実際に若者がどのような気持ちで柏の街に関わっているのかを知ることができました。第2部では、若者だけではなく若者を支える大人もいることから現在UDC2で取り組んでいるKASHIWA.STYLE(以下、「ドットスタイル」)というプロジェクトの紹介がありました。第3部では、若者と街が一緒になったまちづくりを10年前から進めている先進事例として、まち×学生プロジェクトplus(以下、「まちかけ」)から横浜の六角橋でのプロジェクトの紹介がありました。第4部では、様々な若者の取り組みについてポスターセッションとして参加していただきました。本日のテーマである「若者のために、街は何ができるのか?」に対して、第3部でのお話から、「お互いに責任を持って一緒に実行する」といったキーワードがありました。若者をお客様扱いしない「お互いさま」の大切さとその実現の難しさは後ほど深堀りしたいと思います。

では、登壇者のみなさまから、お一人ずつお話を聞かせていただきたいと思います。

まず大石さんには、地域づくりインターンシップについて、今後の取り組みに向けた展望などお聞かせいただければと思います。

 

●大石(市民活動サポートコーナー)

地域づくりインターンシップの取り組みは、対等に、一緒にまちづくりを行なっていくフィールドに若者世代を連れ出す仕掛けが必要だと考えていて、支援する・されるという関係性を世代間で作るのではなく、ともにまちづくりを進める一歩目をつくるといったコンセプトを今後も大切にしたいと考えています。また、地域づくりインターンシップの取り組みは近年、全国的に広がってきていますが千葉エリアはまだまだ少なく周知に苦戦しているのが正直なところです。手探りな面もありますが、まちや地域にとって価値のある取り組みなので、まずは大人、学生など色々な人に知ってもらって、事業として定着させていきたいと考えています。

 

●安藤(UDC2 副センター長)

続きまして、UDC2の宮﨑さんにお伺いしますが、KASHIWA.STYLEについては、今年度は検討するフェーズとして、3つのグループに分かれてワークショップを重ねて、それぞれの提案を発表いただきました。来年度は、今年度の提案を実践するフェーズに移りますが、今年度の手応えや、実践するにあたり何がハードルになるか、お伺いしたいと思います。

 

●宮﨑(UDC2 ディレクター)

今年度は、一般公募したメンバーにより、UDC2だけでは思いつかないような企画を提案することができた点が良かったと思います。メンバーだけでは企画の実現が難しい面もあるので、サポーターや街の企業さんなど色々な人を巻き込む必要があると考えています。活動のための財源や人材、活動場所など、様々な面で地域のサポートをいただきたいと考えています。

 

●安藤(UDC2 副センター長)

続きまして、まちかけのみなさまにお伺いします。若者と“一緒にやる”というところに難しさを感じますが、まちへの関わり方がわからないと考える若者もいる中で、若者はまず何をしたらいいのでしょうか。

 

●原島(特定非営利活動法人まち×学生プロジェクトplus 常務理事)

私たちが大切にしていることをお話ししますと、法人名称にも表れていますが、まち×(かける)学生であり、まちと学生の2極ではないこと、×(かける)の部分であるまちと学生の接着を担うコーディネーター(第3極)がいることが、“一緒にやる”をより実現しやすくなるのではないかと考えています。

 

●安藤(UDC2 副センター長)

では、会場からのご質問についてみていきたいと思います。まずは、第1部の柏での若者の取り組みについてですが、地域づくりインターンシップの学生さんたちへの質問がありました。1点目が「多くの学生が街に関わるような意識を持ってくれるにはどうしたら良いですか?」とのこと。2点目が「周りの友達や家族の反応はどうでしたか?」というものです。この2点について、いかがでしょうか?

 

●伊藤(足立学園高等学校 2年生)

周りの友達は部活動や勉強に忙しいこともあり、地域にまで活動を広げるのは難しい印象です。ただ、海外では部活のような形で地域への参画を行なう事例もあります。学校と地域の結びつきがもっと強くなれば、若者の地域活動が盛り上がるのかなと思っています。また、地域との関わりがきっかけで興味のあることを深く勉強する人も多いので、地域活動が自分のキャリアにつながることがわかれば参加する人も増えるのかなと思っています。周りからは、すごいね、意識高いねと言われますがあまり興味は持ってもらえないんですよね(笑)。

 

●釘村(麗澤大学国際学部 3年生)

私自身も活動に参加したのは一人でしたが、一人での参加が難しい場合は周りの友達を誘ってとりあえず参加してみるとか、長期的なインターンシップに限らず単発的な参加でも、街のことを知る機会としてすごく良いのではないかと思いました。埼玉県に住んでいるので、なんで柏?という家族の反応でしたが、街への恩返しのような形で活動に関わりたいと考えていました。

 

●安藤(UDC2 副センター長)

リアリティのあるお話、ありがとうございます。お二人のお話だけでも、若者が地域へ関わるためのハードルが高い印象を受けましたが、高校・大学と地域が密接に関わる仕組みがあると若者も地域に参画しやすくなっていくのかなと思います。

続きまして、KASHIWA.STYLEについてですが、どうやって持続的に運営していくかという質問が出ていますので、宮﨑さんにお伺いします。

 

●宮﨑(UDC2 ディレクター)

活動を応援してくれる人を見つけるということが持続性につながるのかなと思っています。数少ない人数で活動していると疲弊してしまうこともあるので、どんどん応援してくれる人を探すということが重要だと感じています。

 

●安藤(UDC2 副センター長)

お金を儲けるためのビジネスに対して、市民活動はお金を儲けるためにやるわけではないので、どこかのタイミングでだんだん疲れていってしまう、やめ時が分からない状態が続くようなことがよく見られます。市民活動の疲弊、といったものが持続性の課題として示唆いただきました。

まちかけへのご質問にもお答えいただきたいと思います。まちかけの活動が始まったのは偶然ですか、それとも必然ですかといった難しい質問が来ていますが(笑)。

 

●森(特定非営利活動法人まち×学生プロジェクトplus 理事長)

必然です(笑)。先ほどの発表にもありましたが、原島君が地域の行事に全部参加している様子から、なんかこいつ面白いな、仲間に入れたいなということで始まったのかなと思っています。一生懸命やっている人を見ると、その力が欲しいなと思い、お互いに心を開いて、色々な活動につながっていったと思っています。

 

●安藤(UDC2 副センター長)

ありがとうございました。他にも、学生がイベントを企画立案する際に、これだけは欠かせないっていうものがあったらアドバイスが欲しいですといった質問や、街でイベントを行う上でこれは気をつけないとなっていうものがあれば教えてくださいといった質問がきています。

 

●小倉(特定非営利活動法人まち×学生プロジェクトplus 事務局長)

基本的に、学生は自信を持って自由にやればいいのかなと思います。その際、学生目線がとても大切で、難しいことを難しいまま考えすぎないことが学生らしい活動につながるかなと思います。また、学生がなんかやらかして街の人に怒られるみたいなことはたくさんありましたが、原島さんのようなコーディネーターの人たちが、うまくことを進めてくれたりするので、学生の協力者になってくれるような大人を見つけてその人に相談することも、良いやり方なのかなと思います。

 

●原島(特定非営利活動法人まち×学生プロジェクトplus 常務理事)

立派なことを言っていますが、1番ドキッとしたことが、大事な打ち合わせの際、普通はスーツで行くと思うのですが、Tシャツ短パンで「どうも~」みたいな感じで小倉くんが登場したことがあったり(笑)。それも若者らしさですが、大学4年生になった頃には自分の後輩に対して、自分が教わったことを教えていることもあって。学生が成長する段階で芽を刈ってしまうのではなくて、そこはフォローしつつ芽を伸ばしていってもらって、自分が経験したことを伝えてもらうっていう環境を作っていくことが大事なんじゃないかなと思いました。

 

●安藤(UDC2 副センター長)

ほとんど親目線ですね(笑)。いまの原島さんのお話は、学生がチャレンジしたことを認めてあげる、その質や失敗したことを叱責するようなことがあると学生は離れていっちゃうよというようなことが含まれているように感じました。

まだまだ質問がいっぱい来ていますが、再び伊藤さんに質問です。今回のインターンシップの経験が学校の探究学習にどう還元できたのでしょうか、教えてくださいといったもの。

また、芝浦工業大学の学生さんには、今回の提案を作り上げる過程でどのような力が身についたのか、教えてくださいといった質問です。

 

●伊藤(足立学園高等学校 2年生)

探究学習のテーマはインターンシップとは別のプロジェクトが主でしたが、インターンシップで自分が企画したイベントでの市民の方の反応などから、まちづくりに対する気づきがあり、探究学習において最終的に論文を書く際に、インターンシップの経験がつながりとしてあったかと思います。

 

●佐々木(芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科3年生)

専門分野が異なる9人のグループでの実習だったため、分野が違う人たちと議論するためのコミュニケーション力であったり、あとは柏に住んでいない馴染みのない土地で、いかに当事者意識を持って広い視野で考えられるかという点は身についたのかなと思っています。

 

●安藤(UDC2 副センター長)

ありがとうございました。では、まとめに移りたいと思いますが、登壇しているみなさまから最後に一言ずつお願いいたします。

 

●大石(市民活動サポートコーナー)

高校や大学で地域活動とか地域連携ってすごく推奨されてきていて、10代から20代前半で地域と関わりを持つ機会は多くなってきているのかなと思います。個人的には、地域と関わる1歩目はどんな理由であってもいいので、あとはどう盛り上げていくのかっていうところに大人側の力が問われているのかなと感じています。若者の興味関心を引き出すことを、是非ここに集まっている皆さんにも担っていただけるとものすごく広がりのある街になるんじゃないかなと思っています。本日これだけの人が来ているというところに柏のポテンシャルを感じているので、今後も若者を交えた取り組みが広がっていくと良いな、と感じています。

 

●宮﨑(UDC2 ディレクター)

KASHIWA.STYLEについては、3ヶ月間一生懸命企画を練って、想像以上の成果がありました。是非来年はその実現に向けて、皆様から全面的にサポートいただければと思っています。また、興味ある方はサポーター、実行委員など募集していますので、一緒に成功体験を積んで、柏の街をもっと好きになってもらいたいので、これからもよろしくお願いいたします。

 

●森(特定非営利活動法人まち×学生プロジェクトplus 理事長)

地域活動をする上で、何かメリットを感じて欲しいです。これをやったから良かったというものがなければ続けられないと感じています。まちづくりというのは、そこに住んでいる子どもから大人まで全ての人が考えて実行するものなので、そういった意味では若い学生もまちづくりに参加しなさい、責任があるぞと思っています。大学生という人間が大きく成長する時期に、良い経験をたくさん積んでもらうことが大事かなと思います。

 

●原島(特定非営利活動法人まち×学生プロジェクトplus 常務理事)

今回の高校生や大学生の皆さんの柏での取り組みの発表が素晴らしく、私たちも横浜から追いかけたいなと感じました。私たち、まちかけのように3者の立場で一緒に話をすると、想いはそれぞれあって、同じ言葉だけどニュアンスが違ったり、色々な表現の仕方が出てきたりしますが、具体的に街にとってのメリットや学生さんにとってのメリットはなにかというような議論がこれから行われるようになるのかなと思うと、大いに可能性のある会議にゲストとして呼んでいただいて、大変勉強させていただきました。

 

●小倉(特定非営利活動法人まち×学生プロジェクトplus 事務局長)

学生が地域に関わるメリットとしては、高校や大学に通っているだけでは絶対得られない経験を、活動をとおして得られるということは言えるのかなと思います。学生の気持ちを理解してくれる大人はどこかしらにいると思います。少なくともこの会議に参加している方々はそういう大人の方々だと思いますので、今しかできない学生生活を楽しんで、色々と活動していっていただきたいです。

 

●安藤(UDC2 副センター長)

ありがとうございました。総括としてまとめさせていただきます。

1点目は、ネットに代わる価値。本日出た話ではありませんが、まずは今提供しようとしているものがYouTubeやTikTokより面白いか。面白くなければ若者は動きません。当たり前です。なので、それに変わる価値があるかということをシビアに考える必要があると思っています。人間的な関係性・得られない経験、が答えだとは思いますが、それを提供できるか、実感してもらえるかが重要です。

2点目は、関わりのつくり方。前回のアーバンデザインカイギで東京大学の牧野先生は「若者をどうやったら巻き込めるか?」という問いに、「若者を受け入れる側が一人ひとりの若者と何年も付き合っていく覚悟がないとできない」という回答をされました。大人側がそういう覚悟ができるかどうかは重要です。また、本日のKASHIWA.STYLEのAグループの発表にありましたが、DENSEN(でんせん)というテーマで若者が若者に魅力を伝えるという提案がありました。そこは大人にはできない説得力のある巻き込み方として、とても重要だと感じました。

3点目は、地域の価値は何なのか、です。実は”学校”という場所は社会の中ではとても異質なんです。何かというと、”学校”は同じ年齢、同じ成績など同一のセグメントがされた世界になっているのですが、社会にでると全く違いますよね。大学を出た22歳が急に50歳とペアを組んだりします。そこでコミュニケーションが取れない若者がたくさん出るわけです。なので、若いうちから色々な人がいる地域に飛び込むことで、若者は非常に多くのことを学べます。社会に出る練習になるわけです。まさに多様性を学ぶことができます。これが地域と関わる価値の一つだと思います。

4点目、最後のキーワードは、”一緒に”ということで、お客様なんていない、若者と街が対等な関係性をどう作れるかということを目指していくのが大事かなと思います。そのために若者を受け入れる仕組みや人材が重要になると。

以上、本日のディスカッションの総括とさせていただきます。皆さん、ありがとうございました。

 

 

 

4.アンケート結果

 

→ アンケート結果

 

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